2017年02月11日

私をくいとめて  綿矢りさ 著




私をくいとめて  綿矢りさ 著

綿矢りささんの小説を読んだのは「インストール」と「蹴りたい背中」でしたっけ?
どちらも一気に読んですごく面白かった記憶があります。
特に「蹴りたい背中」は。
ちなみにこれから読んでみたい綿矢りささんの作品は「いなか、の、すとーかー」です。

で、この小説なのですが、ラストでは胸が熱くなりました。
33歳独身の主人公は好きかどうかわからない人がいるのだけれど、
自分の中の何かが変化してしまうことが怖くて動き出せず、
自分の脳内のAと会話をして相談をしている。

しかし、ラストは自分が一歩踏み出すと決めたときに
Aとの別れが訪れるというものになっています。

宮崎駿監督の「魔女の宅急便」でもキキが黒猫のジジの言葉が分からなくなりますが、
宮崎監督は、本当はジジは初めから言葉が話せなかったのだが、
小さな子供がぬいぐるみに話しかけているように、
自分の分身として、相談相手として必要であったと。
キキが精神的に成長したためにジジの言葉がわからなくなった、
そのような暗喩を物語にいれた、

というようなことを何かにインタビューで話していましたが、

この作品も魔女の宅急便を連想しました。
新しい一歩を踏み出すためには何かを失わなければならない。
それは昔の自分との決別であったりするわけです。
先行きどうすればいいのか不安なのでなんとかしたいと思いながらも
一歩踏み出せない人たちにとって、結構はっきりと
勇気づけるというメッセージを伝えている小説ではないでしょうか。
posted by さとし at 17:54| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書・映画・芸術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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