2015年01月29日

Social discounting involves modulation of neural value signals by temporoparietal junction.


Social discounting involves modulation of neural value signals by temporoparietal junction.
Strombach T, Weber B, Hangebrauk Z, Kenning P, Karipidis II, Tobler PN, Kalenscher T.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2015

ニューロエコノミックと社会脳と論文です。
ヒトの中には、自分が良ければよいという利己的な心と他の人が幸せになればよいという利他的な心という相反するこころがあります。
ただし、利他的なこころは、誰にでもそうかんじるのではなく、基本的には親兄弟、愛する人、親友など身近な人に感じるようです。
fMRIを用いて、上限のあるお金をどのような対象者にいくら上げることができるか、という課題を行った時に側頭頭頂結合部が活動したという報告です。
エゴを克服して他者の立場にたった考えをするときにこの領域が関与するとのことです。


【Abstract】
Most people are generous, but not toward everyone alike: generosity usually declines with social distance between individuals, a phenomenon called social discounting. Despite the pervasiveness of social discounting, social distance between actors has been surprisingly neglected in economic theory and neuroscientific research. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to study the neural basis of this process to understand the neural underpinnings of social decision making. Participants chose between selfish and generous alternatives, yielding either a large reward for the participant alone, or smaller rewards for the participant and another individual at a particular social distance. We found that generous choices engaged the temporoparietal junction (TPJ). In particular, the TPJ activity was scaled to the social-distance-dependent conflict between selfish and generous motives during prosocial choice, consistent with ideas that the TPJ promotes generosity by facilitating overcoming egoism bias. Based on functional coupling data, we propose and provide evidence for a biologically plausible neural model according to which the TPJ supports social discounting by modulating basic neural value signals in the ventromedial prefrontal cortex to incorporate social-distance-dependent other-regarding preferences into an otherwise exclusively own-reward value representation.


【要約】
大部分の人々は優しいが、全ての人に対してではない。優しさは、大抵、個人、social discountingとよばれる現象、社会的距離により定義される。
social discountingの普及に関わらず、行為者の間の社会的距離は、経済学的学説と神経科学調査において驚くべきことに無視されてきた。
我々は、fMRIを用いて、社会的決定のための神経基盤の理解のプロセスのもとを研究した。
参加者は、利己性と優しさの間の二者択一を選び、参加者一人のための大きな報酬か、参加者と社会的に特定な距離のある他の個人のための小さな報酬かどちらかを。
我々は、優しい選択は側頭頭頂結合部(TPJ)に関係することが分かった。特に、TPJの活動はわがままと優しさの間の向社会的な動機において、社会的な距離に依存した競合をスケール化されており、つまり、TPJはエゴによるバイアスを克服することを促進することにより優しさを促進するための考えと一致する。
機能的なカップリングデータに基づいて、我々は、さもなければ除外的に自己報酬価値の表現に社会的距離に依存した他者報酬の好みにおいてTPJが支える腹中側前運動皮質における基礎的神経信号を修正することによるsocoal discountingによる生物学的に可塑的な神経モデルのエビデンスを提唱し供給する。
posted by さとし at 00:39| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月26日

Patterns of neural activity in the human ventral premotor cortex reflect a whole-body multisensory percept.



Patterns of neural activity in the human ventral premotor cortex reflect a whole-body multisensory percept.

Gentile G, Björnsdotter M, Petkova VI, Abdulkarim Z, Ehrsson HH.
Neuroimage. 2015
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Patterns+of+neural+activity+in+the+human+ventral+premotor+cortex+reflect+a+2+whole-body+multisensory+percept

まだ出版中の論文のようですが、身体所有感が生じる脳部位を特定した、という報告です。
Ehrssonは身体所有感について世界的に先端をいく研究者ですが、そのグループからの報告です。
ヘッドマウントディスプレイを装着して、うつるマネキンの身体に、自分の身体と同じ部位に同じタイミングで筆でなでる画像を見せ、
そして実際に自分の身体もなでると、身体所有感、つまり自分の身体は自分のものである、という感覚が転移することが明らかになっています。
この報告では、右手、右あり、右腹部でそれぞれ同じような方法で実際の身体とバーチャルな身体の刺激を同期させることで
それぞれの部位でも錯覚が生じるかどうか、そしてその時の脳活動についての解析を行っています。
fMRIのことは勉強不足でよく分からないのですが、multivoxel pattern analysisは神経繊維の定量的な評価法なのでしょうか?
全ての部位において錯覚が生じ、前運動野、頭頂間溝、外側視覚野、被殻で活動が認められたとの戸ですが、
全ての条件で共通した活動パターンは左腹側前運動皮質において認められた、という報告です。
つまり、左前運動皮質が身体所有感を作り出しているところではないか?というのがこの論文の結論です。


【abstract】

Previous research has shown that the integration of multisensory signals from the body in fronto-parietal
association areas underlies the perception of a body part as belonging to one's physical self. What are the neural
mechanisms that enable the perception of one's entire body as a unified entity? In one behavioral and one fMRI
multivoxel pattern analysis experiment, we used a full-body illusion to investigate how congruent visuo-tactile
signals from a single body part facilitate the emergence of the sense of ownership of the entire body. To elicit
this illusion, participants viewed the body of a mannequin from the first-person perspective via head-mounted
displays while synchronous touches were applied to the hand, abdomen, or leg of the bodies of the participant
and the mannequin; asynchronous visuo-tactile stimuli served as controls. The psychometric data indicated
that the participants perceived ownership of the entire artificial body regardless of the body segment that
received the synchronous visuo-tactile stimuli. Based on multivoxel pattern analysis, we found that the neural
responses in the left ventral premotor cortex displayed illusion-specific activity patterns that generalized across
all tested pairs of body parts. Crucially, a tripartite generalization analysis revealed the whole-body specificity of
these premotor activity patterns. Finally, we also identified multivoxel patterns in the premotor, intraparietal,
and lateral occipital cortices and in the putamen that reflected multisensory responses specific to individual
body parts. Based on these results, we propose that the dynamic formation of a whole-body percept may be
mediated by neuronal populations in the ventral premotor cortex that contain visuo-tactile receptive fields
encompassing multiple body segments.


【要約】

過去の研究では身体からの多感覚信号の統合は前頭頭頂領域が人の身体に属する身体部位の知覚を受けるとされる。
全体として統一された人の全身の知覚を可能にする神経メカニズムは何か?
身体の部位部位における行動とfMRIのmultivoxel pattern analysis experimentで、我々は全身錯覚においてどのように全身の身体所有感の出現を促すのかを調査した。
錯覚を起こすため、参加者は、ヘッドマウントディスプレイを用いてマネキンの身体を一人称視点で観察し、
同期したタッチが参加者の身体とマネキンの手、腹部、下肢に与えられた。
非同期の視覚戦略的刺激がコントロールとして行われた。
心理データでは、身体部位は同期した視覚戦略刺激を行ったが、参加者はマネキンに身体全体的に所有感を知覚した。
multivoxel pattern analysisでは我々は左腹側前運動皮質において、錯覚に得意的な活動パターンがみられたが、
それは、身体部位の全ての検査部位において現れた。決定的なことに、tripartite generalization analysisでは、身体全体に得意的な前運動野の活動パターンが現れた。
最終的に、我々はまた、前運動野、頭頂間溝、外側視覚野、被殻においてmultivoxel patternsを特定し、それは、
個々の身体部位における特定の多感覚の反応を反映した。
これらの結果に基づいて、我々は、ダイナミックな全身身体のフォーメーションは、腹側前運動皮質の神経の数によって仲介され、
多くの身体部位の包括的な視覚戦略的の受容野であると考えられる。
posted by さとし at 02:49| 京都 | Comment(0) | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月18日

HPHセミナー2日目

国際HPHセミナー2日目に参加して、セミナー全日程終了です。

2日目は一般演題で、全国から参加した施設がポスターでプレゼンをしました。
地域の個性も出てましたし、総じて面白かったです。

大学や都道府県とコラボして介護予防や生活指導を行ったり、
地域に出向いて転倒予防教室をしたりと
参考になるものばかりでした。

内容は良かったですが、取り組みの紹介だけであって
やっていることの「見える化」、それらの介入によってどのように良くなったのか
まで踏み込んでいる発表が少ないのが残念でした。
「やってます」「やりました」で終わってるところですね。
今までのグループでやってる交流集会の発表と何が違うのだろうと感じはしました。

しかし、これらは今後に期待です。

現実に戻ってきたので明日からのことについて考えます。
posted by さとし at 17:33| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Health promoting hospitals and services

昨日今日と東京にいます。

ヘルスプロモーション関連のセミナーに参加しています。
HPHネットワークというもので、
健康増進活動拠点病院(Health promoting hospitals and services;HPH)の略です。
座学は久しぶりでした。

同じ病院グループの仲間が集まったセミナーなので堅苦しい空気もなく、
講演もいつものような雰囲気で、分かりやすかったです。
セミナーは、国際HPHのCEOであり、スウェーデンのるんど大学教授でもあるハンヌ・ターネセン教授を招待しての国際講演を行うなど、力の入れようがすごいとも思いました。

僕も施設や地域でこのプロジェクトをひっぱって行かなければならない立場ですし
何をすべきかという問題意識を持ちながら聞いていたわけですが、

この取り組みについて、「評価したい点」」と「疑問に思う点」が自分の中にあるのです。

「評価したい点」は、やっとエビデンス(根拠)に基づいた地域医療にやっと取り組みだしたか、という点です。
科学の世界においてはエビデンスに基づいてデータによって説明することは必須ですし、
データでもって仮説を証明して論文にまとめて世に出してアウトプットしていく、
そして、少しづつ世の中を変えていくという取り組みが必要だと考えています。
いくら、地域病院で私たちは貧しい人のために一生懸命頑張っています、と声を上げてたところで
「そうか、それは大変だね」と、国が認めて医療のあり方が変わるのかな、
と考えれば、そうではないと思うわけです。

政治に訴えかけるような政治活動も確かに大事かもしれませんが、
こういう医療や科学の世界での正攻法といいますか、データでんもって発信していくという
取り組みを始めたことは、評価すべきだと思います。

で、「疑問に思う点」というのは、なぜ、
国際HPHに加入して取り組みを始める経緯になったのか、という点です。
僕が属しているグループは、地域医療については非常にレベルが高いと思ってますし、
主観的な視点でしかないのですが、定期的に開く地域懇談会とか、
患者会とコラボして生活状況が心配な人を尋ねに行ったり、
ホームレスに炊き出しをしたり、医療費が払えないような低所得者に対して相談に乗ったりもしています。
国際HPHネットワークに所属するまでもなくその気になれば、
世界レベルで地域医療のリーダーシップをとることができるくらいのポテンシャルがあるかと思うのですが、
現時点ではそうはせずに、国際HPHに評価される、認められる道を選んだと。
国際HPHの指針に沿って取り組んでいくのは、
混沌とした臨床について一度整理するのにはよいかもしれませんが。
トップダウン方式になるのではないかと思ってしまうのです。

しかし、やはり楽しみでもあります。今後どうなるか。

というわけで明日も行ってきます。

posted by さとし at 03:21| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月16日

あっという間に週末

あっという間に週末です。
徐々に正月気分からも抜け出しつつあり
あっという間に仕事がたまってきます。

先日、ケースレポート(海外雑誌の方)からの返事が返ってきたました。
short communication(のようなもの)で出してたのですが、結果は
Rejectでした。しかしコメントを読むと「内容があるのでちゃんとしたCase reportにして投稿してください」という意味でのRejectで、Chief editorの方も、
「失望しないでください、むしろその逆です」とものすごく丁寧に文章を書いておられました。
というわけで、また書き直さなければなりません。
何とか書き上げて、ここで相手に失望させて上った梯子を外されるようなことには
ならないように気を付けないと。

和雑誌に投稿する方の症例報告は、出来上がったので明日ケアマネさんを含む
共著者の人たちに読んでもらおうと思ってます。

時間と回数をかけて試行錯誤すれば、すらすらと書けるようになるはず・・・、という願望です。今後の自分には必要なことです。

某取り組みについては、あれほど本で調べても上手くできなかったのに、
ネットで探して操作したらあっという間に完了してしまいました。
今月中にある程度の目処はつけたいですね。

明日仕事後にその足で東京です。初参加の学会に参加してます。
posted by さとし at 03:15| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月14日

病み上がり

連休明けの今日は、病み上がりでよく寝たからか
体の調子はまずまずでした。

道場での稽古では、まだ本調子ではないので
集中力が持たなかったり激しい動きが出来なかったり
(というか、しんどいのでやりたくなかった)ですが、
普段よりも力が抜けており、足腰も力が入りにくく、
明らかに病み上がりによる筋力の低下なのですが
これが昨日読んだ本に書いてあったあの、身体感覚なのか?とか
思いながらやってました。ふらふらでしたけど。

僕の体はどうも筋緊張が亢進しやすいようで
筋トレを激しく行うと、すぐに全身ガチガチになってしまって
足の裏にたくさんのマメができてしまいます。

といっても逆に何もしないと、下腹部の筋が弱いので
今度は体幹が不安定になってしまいます。

何かいい方法はないですかね〜。

明日は夜の予定を空けているので
やりたい事を進めていこうと思っています。

週末は今年1回目の東京です。
何気にバタバタしていますね。
posted by さとし at 03:15| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月13日

Is body dysmorphic disorder associated with abnormal bodily self-awareness? A study using the rubber hand illusion.

Is body dysmorphic disorder associated with abnormal bodily self-awareness? A study using the rubber hand illusion.
Kaplan RA, Enticott PG, Hohwy J, Castle DJ, Rossell SL.
PLoS One. 2014 Jun 12;9(6)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Is+Body+Dysmorphic+Disorder+Associated+with+Abnormal+Bodily+Self-Awareness%3F+A+Study+Using+the+Rubber+Hand+Illusion

身体醜形障害という症状があるそうです。
これは、極度に自己評価が低く、それに関連して自分の身体や美醜に極度にこだわる症状でだそうです。
僕の中で思い当るところは、違うかもしれませんけど、
マイケル・ジャクソンとか
マンガ「北斗の拳」のユダとか、あたりが病的に見た目にこだわっている気がします。
この論文では、身体醜形障害の身体イメージについてラバーハンド錯覚の実験を用いて調べています。
この論文で比較対象として用いられている統合失調症患者は身体イメージがはっきりとしていないためにラバーハンド錯覚が生じやすい
(つまり、自分の手でないものを自分の手と感じてしまう)ですが、
身体醜形障害患者は、自己の身体に不満を持っているものほど強く錯覚を感じたという結果が出ています。
自分の身体が他の外見に代わればいいのに、という願望があるからでしょうか。
自己に対する肯定感を持つための環境つくりや関わり方が大事なのかもしれませんね。


【要約】
過去の研究から身体の不満足感に関係したふるまいと性格は、身体イメージの知覚の不安定さと関係する可能性があり、身体に関係した多感覚情報の統合においてその可能性がある。
我々は、身体醜形障害が、身体イメージの乱れによるものなのか、ラバーハンド錯覚を疑問を解決するために行った。これは、ラバーハンドと参加者の隠された本物の手が同時に刺激された時に、多感覚統合のプロセスの結果生じる錯覚である。
全体として、ラバーハンド錯覚においては、身体醜形障害群と健常群、統合失調症群の間に(n=17 in each)は著明な相違はみられなかった。 しかし、ラバーハンド錯覚の強さでは身体の不満足感と関連した傾向で正の一致がみられた。健常群では、固有受容覚の移動がラバーハンドに向かう現象が同期条件に置いて見られたが、非同期条件においては認められなかった。類似した固有受容覚の移動において、身体醜形群で生じた意識では、刺激同期条件、非同期条件に関わらず生じた。これらの結果から、身体醜形の人の間での多感覚統合と視覚プロセスにおける異常性の可能性について考察した。


【Abstract】
Evidence from past research suggests that
behaviours and characteristics related to body dissatisfaction may be associated
with greater instability of perceptual body image, possibly due to problems in the integration of body-related multisensory
information. We investigated whether people with body dysmorphic disorder (BDD), a condition characterised by body
image disturbances, demonstrated enhanced susceptibility to the rubber hand illusion (RHI), which arises as a result of
multisensory integration processes when a rubber hand and the participant’s hidden real hand are stimulated in synchrony.
Overall, differences in RHI experience between the BDD group and healthy and schizophrenia control groups (n=17 in
each) were not significant. RHI strength, however, was positively associated with body dissatisfaction and related
tendencies. For the healthy control group, proprioceptive drift towards the rubber hand was observed following
synchronous but not asynchronous stimulation, a typical pattern when inducing the RHI. Similar drifts in proprioceptive
awareness occurred for the BDD group irrespective of whether stimulation was synchronous or not. These results are
discussed in terms of possible abnormalities in visual processing and multisensory integration among people with BDD.
posted by さとし at 03:05| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

The reliability and validity study of the Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire in individuals with Multiple Sclerosis.


The reliability and validity study of the Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire in individuals with Multiple Sclerosis.
Tabrizi YM, Zangiabadi N, Mazhari S, Zolala F.
Braz J Phys Ther. 2013 Nov-Dec;17(6):588-92.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24271091

ブラジルのジャーナルでなおかつ投稿者がイラン人というローカル度の高い論文ですが、
IFは0.9あるのですね。丁度同じ疾患を持つ人を担当しているので読んでみました。

内容は運動イメージ検査法についての信頼性についてです。
多発性硬化症という疾患がありますが、これは、中枢神経系の髄鞘という
神経を伝達する部位が炎症によって壊されて(脱髄)しまい、麻痺やしびれが起きる疾患です。

この多発性硬化症患者を対象に運動イメージ検査を行い、
従来の運動イメージ検査(改訂版motor imagery questionnaire:MIQ)と、近年臨床で行われるようになってきたKinesthetic and Visual Imagery Questionnaire(KVIQ)との
相関を調べています。
結果は、両者の間に相関があり、KVIQは信頼しうる検査だと結論付けられています。

個人的に気になったのは、MIQはグローバルな動作をイメージする課題であるのに対して、
KVIQは各関節ごとの運動イメージを検査するものなのでそのあたりをどのように比較したのかが、詳細に書かれていなかったのでどうなっているのだろうと思いました。

【要約】
目的:
運動イメージは、近年多発性硬化症における身体リハビリテーションにも適するものだと考えられている。
この検査を信頼できるツールとして用いることによって運動イメージ能力と多発性硬化症患者における利益を評価する必要がある。 Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire (KVIQ)が近年運動イメージ能力の評価として脳卒中や他の障害のある患者のために発展している。
異なる病理であることを考えて、本研究は、多発性硬化症患者におけるKVIQの妥当性と信頼性を調べることを目的とした。
方法:
15名の多発性硬化症患者において2セッションを用いて同じ検査者でKVIQの検査を行った(5-14日離して)。
2番目のセッションでは、参加者は基準として改訂版MI questionnaire (MIQ-R)もまた行った。
Intra-class correlation coefficients (ICCs)がtest-retest reliabilityを決めるために用いられた。また、
Spearman's correlation analysisがMIQ-Rの妥当性を評価するために用いられた。
さらに、内部整合性チェック(Cronbach's alpha)KVIQの構成要素が調べられた。
結果:
The test-retest reliabilityにおいて、KVIQは良好であった(ICCs: total KVIQ=0.89, visual KVIQ=0.85, and kinesthetic KVIQ=0.93)、
そしてKVIQとMIQ-Rの間の併存的妥当性は良好であった(r=0.79)。
KVIQは良好な内部整合性があり、高値のCronbach's alpha (alpha=0.84)が認められた。
要員分析では、両方の要因構造が認められ、視覚性は57.6%筋感覚性は32.4%で説明可能であった。
結論:
本研究の結果、KVIQは多発性硬化症患者の評価に妥当で信頼性のあるツールであることが分かった。

【Abstract】
OBJECTIVE:
Motor imagery (MI) has been recently considered as an adjunct to physical rehabilitation in patients with multiple sclerosis (MS). It is necessary to assess MI abilities and benefits in patients with MS by using a reliable tool. The Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire (KVIQ) was recently developed to assess MI ability in patients with stroke and other disabilities. Considering the different underlying pathologies, the present study aimed to examine the validity and reliability of the KVIQ in MS patients.
METHOD:
Fifteen MS patients were assessed using the KVIQ in 2 sessions (5-14 days apart) by the same examiner. In the second session, the participants also completed a revised MI questionnaire (MIQ-R) as the gold standard. Intra-class correlation coefficients (ICCs) were measured to determine test-retest reliability. Spearman's correlation analysis was performed to assess concurrent validity with the MIQ-R. Furthermore, the internal consistency (Cronbach's alpha) and factorial structure of the KVIQ were studied.
RESULTS:
The test-retest reliability for the KVIQ was good (ICCs: total KVIQ=0.89, visual KVIQ=0.85, and kinesthetic KVIQ=0.93), and the concurrent validity between the KVIQ and MIQ-R was good (r=0.79). The KVIQ had good internal consistency, with high Cronbach's alpha (alpha=0.84). Factorial analysis showed the bi-factorial structure of the KVIQ, which was explained by visual=57.6% and kinesthetic=32.4%.
CONCLUSIONS:
The results of the present study revealed that the KVIQ is a valid and reliable tool for assessing MI in MS patients.
posted by さとし at 22:17| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「近くて遠いこの身体」

「近くて遠いこの身体」平尾剛:著




という本を読みました。
平尾氏は元ラグビー日本代表で怪我で引退されてから、
身体感覚について研究をされているそうです。

スポーツ科学でいう筋力とか、データや数値では見ることのできない
パフォーマンス、やらスポーツ教育についてやら
自身の経験に基づいて語られていてすごく興味深く読みました。

スポーツをしている時にも主観的に感じる時間が長く感じたり短く感じたりする、
決定的な場面でどうするか、状況を見据えながら判断している時も、一瞬であったりとか。これは心的時間のことですよね。

面白かったのは、あるラグビー選手のが行っていたことらしいですけれど、
「観客の声に耳を傾けてプレーをする」と言ってたことについてです。

観客というのは意外と客観的に試合を見ているので、
チャンスが生まれたり、それに関係するプレーをすると
声を出して反応するわけですが、客の反応に判断をゆだねるというのは
そういう面では理にかなっているのかなと。
他者に共感するミラーニューロンシステムの働きですよね。
カポエイラもこれをもっと小さくしたものだと思います。
二人が向かい合って技をやり取りして、周りの人が歌で盛り上げて、
バテリア(楽器隊)が全体をリードする音楽を奏でてと。

あとは、どんなスポーツでも(仕事でも勉強でも??)がむしゃらに、に基本を
繰り返す時期を終えると、常識を覆す時期が必要になるとのこと。
「守破離」の「破」の時期のことでしょうか。
これができなかったのが宮本武蔵と戦った吉岡一門の吉岡清十郎であったと
著者は述べています。
カポエイラの僕が通ってる道場で言うところの
僕のことかもしれませんし、ゆくゆくは僕も宮本武蔵レベルの人に
やられてしまうかもしれません。


僕自身も身体能力はどうしようもないくらい低いですが、
スポーツ科学ではない身体感覚でどうすればカポエイラが上達できるか、
色々と試行錯誤していきたいなぁ〜と。そんなことを思いました。
posted by さとし at 21:29| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書・映画・芸術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月11日

熱発

去年の秋からずっとバタバタしていたのが
少し落ち着いてきたからか、

久しぶりに体調を崩してしまい、仕事も早退し
昨日は1日寝込んでました。

インフルエンザ検査もして、陰性だったのですが、
訪問リハビリに行く方が体が弱い方ばかりだし
やはり休んだほうが良いとのことで、休ませてもらい、

せっかくの休みなのでやりたいことがいろいろとあったのですが
体が動かずで結局寝て過ごしました・・・・、ってこれが普通ですかね。

さてさて、今日もいきつけのカフェにいるわけですが、
今日も、ケースレポート書いて、論文少し書いて、
それからちょっとやってみたいことに手を付けてみたいと思ってます。
うまくいきそうならまたお知らせしようと思います。
posted by さとし at 10:10| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月08日

The invisible hand illusion: multisensory integration leads to the embodiment of a discrete volume of empty space.

The invisible hand illusion: multisensory integration leads to the embodiment of a discrete volume of empty space.
Guterstam A, Gentile G, Ehrsson HH.

J Cogn Neurosci. 2013 Jul;25(7):1078-99

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23574539

私たちは、手足を事故などで失った時、または女性などの場合、乳がんなどで乳房を切断した時に幻肢というものが出現します。
多くの場合、幻肢痛ではもうすでに失ったはずの手足などの身体の一部があるように感じられ、さらにはないはずの手足が
例えば指が曲がって手のひらに食い込むなどの痛みが生じます。これは幻肢痛と呼ばれています。
今回紹介する論文は、その幻肢という現象を人為的に作り出そうと試みた実験です。
私たちの身体は、目で見たり、全身の皮膚や筋肉の感覚から、手足がどこに位置しているかを感じたり、
それらの情報を脳の中でまとめて自分自身の身体を作り出しています。
ところが衝立で自身から見えない状態にした自己の手を筆でなでるのと同時に
何もないはずの空間でも筆を動かし、それを被験者が見ることにより、
何者ない空間に自分の手があるように錯覚が生じるというものです。



【Abstract】
The dynamic integration of signals from different sensory modalities plays a key role in bodily self-perception. When visual information is used in the multisensory process of localizing and identifying one's own limbs, the sight of a body part often plays a dominant role. For example, it has repeatedly been shown that a viewed object must resemble a humanoid body part to permit illusory self-attribution of that object. Here, we report a perceptual illusion that challenges these assumptions by demonstrating that healthy (nonamputated) individuals can refer somatic sensations to a discrete volume of empty space and experience having an invisible hand. In 10 behavioral and one fMRI experiment, we characterized the perceptual rules and multisensory brain mechanisms that produced this "invisible hand illusion." Our behavioral results showed that the illusion depends on visuotactile-proprioceptive integration that obeys key spatial and temporal multisensory rules confined to near-personal space. The fMRI results associate the illusion experience with increased activity in regions related to the integration of multisensory body-related signals, most notably the bilateral ventral premotor, intraparietal, and cerebellar cortices. We further showed that a stronger feeling of having an invisible hand is associated with a higher degree of effective connectivity between the intraparietal and ventral premotor cortices. These findings demonstrate that the integration of temporally and spatially congruent multisensory signals in a premotor-intraparietal circuit is sufficient to redefine the spatial boundaries of the bodily self, even when visual information directly contradicts the presence of a physical limb at the location of the perceived illusory hand


【要約】
異なる感覚モダリティからの信号のダイナミック統合は、身体の自己知覚において大きな役割を持つ。
視覚情報が我々の四肢の特定と位置づけの他感覚のプロセスにおいて用いられるとき、
身体部位が見える事は、しばしば主な役割を演じる。例えば、物品をみることで物品が自身に帰する錯覚がおこることは ヒューマノイドの身体部位と類似するに違いない。
ここでは我々は、健常人(切断していない)個人が目に見えない手の存在と何もない空間の離散の大きさについての体性感覚について言及し、
デモンストレーションによりこれらの想定に挑戦したことを報告する。
10の行動実験と1つの fMRI実験を実施した。我々は、知覚テクな役割と多感覚のメカニズム、それは、"目に見えない手の錯覚"といわれるものを行った。
我々の行為の結果では、錯覚は、視覚固有受容器の統合、それは、時空間的な多感覚の役割が近位空間で認められた。
fMRIの結果では、活動の増加が錯覚において一致したが、その領域は身体に関係する信号で多感覚の統合と関係する両側の背側運動前野、頭頂間溝、小脳皮質であった。
我々は、さらに目に見えない手のより強い感覚が、頭頂間溝と背側運動前野のコネクティビティで高い一致を認めた。
これらの発見は、字空間的な適切な多感覚信号の統合が運動前野と頭頂間溝の動員によって行われており、
視覚情報が直接錯覚として知覚した手の位置と実際の手の存在が矛盾していたとしても自身の身体の空間的に充分な再定義をなす。
posted by さとし at 03:53| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 文献 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月06日

仕事はじめ

新年あけて仕事も2日目。
自分の中でもパンパンに腫れた顔が
徐々にいつも通りの循環に
戻っていくような感じがします。

雨の中の訪問リハビリは、非常に疲れました。
利用者さんが外に出れないから訪問するわけですけど、
訪問しても一緒に散歩に行けなかったり意外とやることが制限されてしまいますね。

年末年始の8日間の休暇の間、ほとんどの利用者さんは家にこもりっきりでした。
まあ大雪ですし仕方がありませんが。

家族が訪ねてきて、ワイワイやったという方や
誰とも合わずいつも通りだったという方やらいろいろおられますね。

最近考えているリハビリテーションの参加の部分、つまり、
他者との交流や、社会への参加など
何かしらヒトとつながりのある人は
鬱などなく、楽しそうに過ごされている印象があります。

というわけで徐々に日常に戻ってきました。
それではこれから稽古です。
posted by さとし at 18:35| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月04日

2015年

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。
今年は、元旦から論文書いたり研究計画を考えたり、基礎トレーニングなどしていましたが、
それ以外にも初詣や家族との宴会など久々に正月らしく過ごすことができました。

去年はいろいろと動き回った年でした。

まず、大学院博士課程を修了できたこと、
これから気持ちを新たにして頑張ろうと思った矢先にバイクで事故ったこと、そして保険会社とのバトル(笑)、
さらに、カポエイラのブラジル修行、ワシントンD.C.で開催された国際学会へ研究費でなく初めて自費で参加したこと、
そして、人生の中での大きなイベントがあったことなどです。

さてさて、今年の目標ですが、

今年は多少は腰を据えていろいろと取り組むことができそうなので、
何をする、どこに行く、とかではなく、もっと質的なところを高めていきたいと思っています。

とりあえず、学術論文を年5本は投稿したいと思っています。
この1年は、大学院を終えて、これからどうやって研究を進めていけばいいのか、
研究のフィールドや財源をどうするか、試行錯誤を繰り返してきましたが、
臨床で症例を見る、気になったことは基礎データをとる(心理指標や)行動指標なら職場で、装置が必要な場合は大学で)という考えにいたり、
資金については、ある程度研究の見通しがたてば、助成金に応募するということで自分の中で納得しました。
こうして地道に研究をすすめていけば自分がこの先何をすべきかということが見えてくると考えています。

仕事についても、業務上やらなければならないことはやる、主張しなければならないことはする、ということで、
長期休暇をとってブラジルに行かせてもらったり、仕事が終わってから研究する時間が取れるのも、
職場との関係が悪くないからこそ出来ることなので、この関係性に感謝しつつやっていこうと思っています。
具体的には、外来リハビリの運営や訪問リハビリへ携わることですが、
ヘルスプロモーションの取り組みを任せていただいているので、なるべく貢献できるように進めていきたいと思っています。
個人的に調査したいこともたくさんあるので・・・。

カポエイラも今年は昇段式もあるので練習をもっとしたいです。年齢も年齢なのでどんどん動きが悪くなっていくのが
わかりますし、若い人に抜かれていくしで、もうそろそろ限界を感じてるし辞めたほうがいいのかとか少し年末に考えていましたが、
年を取ったなりの関わり方もあるかと、考え直し、自分の体と向き合いながら楽しんでいこうと思います。
もう少し体重を落としたらアクロバットとかできるようになるでしょうか?
そう思って少し痩せようと思ってます。

あとは、身なりをこぎれいにすることですね。
今まで一人で気楽にやってきたので、服装とか気にしなかったし、部屋も散らかし放題でしたし、
好きな時に好きな時間だけ勉強したり本読んだりしてましたが、これからはそうはいかないわけで、
日々のいい加減なところを直していきたいと思ってます。


それにしても、結婚して、周囲が喜んでくれるのが本当によかったです。
昔は、好きなことをして死んでいくのもありかなと思っていたのですが(今でも多少はそう考えているけど)、
だんだんと周りの人を喜ばせたいという気持ちも出てくるわけで、
付き合っている人を喜ばせる、親を喜ばせる、そういうことを考えて結婚すると決めた面もあります。
結婚する前も、十分に楽しくて幸せだったですが、このままの関係性がずっと続けばいいのですが、
ヒトは老いるし、環境も変わっていくし、みんな健康でいられないし、いつまでもこのままということはあり得ないですもんね。

そういうわけで今年もアクティブに動いていきたいと思います。
posted by さとし at 16:09| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする